判例解説レポート(当社顧問弁護士:ひかり弁護士法人アイリス法律事務所作成)
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記事一覧
H31.3号(名古屋地裁H30年3月1日)①併用住宅地区を前提とした登録価格を普通商業地区に存することを理由に修正した場合の地方税法417条1項の「重大な錯誤」の有無
固定資産税定期レポート2019.3号
名古屋地裁平成30年3月1日判決(最高裁判所ホームページ)
(固定資産評価審査決定取消等請求事件)
テーマ:①併用住宅地区を前提とした登録価格を普通商業地区に存することを
理由に修正した場合の地方税法417条1項の「重大な錯誤」の有無、②地方税
法433条5項は照会事項に関する回答を求める公法上の請求権を認めたもの
と言えるか。
第1 事案の概要
本件は、原告が下記2点を求めて提訴した事案である。
1 下記のとおり主張して、A市固定資産評価審査委員会の決定の取消しを
求めた。
(取消しを求めた理由の表示)
① 本件土地が併用住宅地区に所在することを前提として定められた固
定資産課税台帳登録価格に誤りはないにもかかわらず、「本件土地が普
通商業地区に所在しているため補正率の計算に誤りがあり地方税法4
17条1項にいう重大な錯誤が認められる」との理由で上記登録価格
の修正がされたことは違法である。
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H31.2号(東京地裁H29年3月27日)条例で義務付けられた住宅用地の申告を怠った者に対し住宅用地の特例の適用をせずに課税した場合の納付額返金を求めることの可否
東京地裁平成29年3月27日判決(判例タイムズ1452号214頁)
(国家賠償(過誤納金)請求事件)
テーマ:条例で義務付けられた住宅用地の申告を怠った者に対し住宅用地の特
例(地方税法349条の3の2・同法702条の3)の適用をせずに課税
した場合の納付額返金を求めることの可否
第1 事案の概要
1 株式会社Xは、平成11年3月、東京都大田区内の3階建て建物(本件建
物)及びその敷地(本件土地)を購入し、平成14年中には本件建物の改築
工事を行って老人ホームを開設した(本件用途変更。なお、介護保険事業者
の指定を受けたのは平成16年4月)。
2 Xは、住宅用地の申告(東京都都税条例及び同施行規則において、住宅用
地の所有者に対して義務づけられている)等を平成24年に至るまで怠っ
ていた。
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H30.10号(東京地裁H29年9月14日)建築基準法57条の2(特定容積率の限度)に基づく減価の要否
東京地裁平成29年9月14日判決(固定資産評価審査決定取消請求事件)
テーマ:建築基準法57条の2(特定容積率の限度)に基づく減価の要否
第1 事案の概要
1 Xは、東京都千代田区所在の6筆の土地(以下「本件各土地」という。)
を所有してホテルを営業している。本件各土地の固定資産の各価格の決定
(以下「本件価格決定」という。)を受けたXは、その登録価格を不服とし
て、審査の申し出を為し申出棄却決定を受けたため、当該決定の取り消しを
求めて提訴した。
2 Xの不服の理由は、要旨、「本件各登録価格は、建築基準法(平成26年
法律第39号による改正前のもの。以下同じ。)57条の2の規定に基づく
特例容積率の限度の指定(以下、「本件容積率限度指定」という。)を減価要
因として考慮していないために固定資産評価基準(以下「評価基準」という。)
によって決定された価格とはいえない」というものである。
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H30.8号(最高裁三小法廷H30年7月17日)建築基準法第42条1項3号所定の道路該当性判断
最高裁第三小法廷平成30年7月17日判決(固定資産評価審査決定取消請求事件)
【控訴審】大阪高等裁判所平成28年6月23日判決
【第一審】京都地裁平成28年1月21日判決
テーマ:建築基準法第42条1項3号所定の道路該当性判断
第1 事案の概要
1 Aは京都市内の本件各土地の所有者であり、これらの土地に係る固定資
産税の納税義務者であった。本件各土地は駐車場として利用されている一
団の土地である。
2 Y(京都市)の策定した「平成21年度京都市固定資産評価要領(土地編)」
は、市街地宅地評価法におけるその他の街路の路線価については、地域の地
価形成要因を数量化した「京都市土地価格比準表」、「京都市細街路等に係る
建築制限等に基づく価格補正率表」(細街路等補正率表)、「京都市通路等に
係る土地利用規制に基づく価格補正率表」(通路等補正率表)等を活用し、
主要な街路の路線価に当該主要な街路とその他の街路との間における各種
の価格形成要因等の相違の程度に応じて求められる格差率を乗じて、各街
路の路線価を付設するものとしていた。
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H30.6号(京都地裁H28年3月11日)航空写真システムによる地目判定の誤りと国賠上の責任
京都地裁平成28年3月11日判決(国家賠償請求事件)
【審級】大阪高裁平成28年9月9日判決:控訴棄却
最高裁平成29年5月30日決定:上告受理申立て不受理
テーマ:航空写真システムによる地目判定の誤りと国賠上の責任
第1 事案の概要
1 被告Y 市は、平成11年に課税客体を把握する方法として航空写真シス
テムを採用し、以降、航空写真上の状況と課税状況が異なる場合、写真だけ
で明らかに認定できれば写真だけで認定し、写真だけで認定が困難であれば
実地調査を行い、課税が適正でないと判断すれば見直しを行ってきた。
※「航空写真システム」
3年に1回航空写真を撮影し、公図または地積測量図に基づき地番レイ
ヤ(航空写真に重ねるための公図)を作成し、それを航空写真にあてはめ、
その間に土地の分合筆等の異動があればこれに伴う修正を随時行いなが
ら課税客体を把握する方法
2 Y 市は、A が所有していた土地1(登記上の地目は山林)について、上記
航空写真システムにより、B 宅の底地部分と認定し、平成12年度から課
税地目をそれまでの「山林」から「宅地」に変更した。
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