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判例解説レポート(当社顧問弁護士:ひかり弁護士法人アイリス法律事務所作成)

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R8.5号(札幌地裁R5年10月4日)損耗の状況による減点補正において損耗の程度に応ずる減点補正を行わなかった違法があると判断された事例

札幌地裁令和5年10月4日判決(固定資産評価審査決定取消請求事件)

テーマ:損耗の状況による減点補正において損耗の程度に応ずる減点補正を行わなかった違法があると判断された事例

1.事案の概要
(1)Xは、Y市の2018年度の公売で本件家屋とその敷地を8900万円で落札し、その所有権を取得しました。Y市の市長は、2021年度の課税台帳に本件家屋の登録価格を3億1556万7800円と決定しましたが、Xはこの登録価格を不服として審査請求しました。
しかし、Y市固定資産評価審査委員会が審査請求を棄却する旨の決定をしたため、Xはこの決定の取消しを求めて訴訟提起したのが本事件です。
(2)Xは、①本件家屋は約17年間使用されることなく放置されていたなどの損耗による評価減点事情がある、②本件家屋の地域的状況が劣るなどの需給事情による評価減点事情があるにもかかわらず、固定資産評価基準に従ってこれらの事情が考慮されずに登録価格が決定されており違法である、と主張しました。

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R8.3号(最高裁R7年2月17日)複合構造家屋に適用すべき経年減点補正率について、低層階を構成する構造を主たる構造と捉え、鉄骨鉄筋コンクリート造及び鉄筋コンクリート造の構造別区分の経年減点補正率を適用したことが評価基準に反しないとされた事例

最高裁令和7年2月17日判決(固定資産価格査定取消請求事件3件、①令和5年(行ヒ)第142号、②令和5年(行ヒ)第177号、③令和5年(行ヒ)第207号)

テーマ:複合構造家屋に適用すべき経年減点補正率について、低層階を構成する構造を主たる構造と捉え、鉄骨鉄筋コンクリート造及び鉄筋コンクリート造の構造別区分の経年減点補正率を適用したことが評価基準に反しないとされた事例

1.事案の概要
(1)本判決は、3件とも、ホテルやオフィスビルなど、複数の構造により建築されている家屋(複数構造家屋)に適用する経年減点補正率について判断した判決ですが、同一の納税者(X信託銀行)が複数の自治体(①②は大阪市、③は広島市)に対し訴訟を起こしたもので、最高裁の判決内容も共通しています。
そこで、以下では、主に②の事件(令和5年(行ヒ)第177号)を前提にして、事案をご紹介します。

(2)②の事件において、対象となる家屋(以下「本件家屋」)は、平成2年2月19日に新築された地下2階、地上18階建ての非木造家屋であり、

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R8.1号(名古屋地裁R7年3月19日)課税地目を「雑種地」と認定し、これを前提として登録価格を決定したことが違法と判断された事例

名古屋地裁令和7年3月19日判決(固定資産税課税の地目変更決定等の取消請求事件)

テーマ:課税地目を「雑種地」と認定し、これを前提として登録価格を決定したことが違法と判断された事例

1.事案の概要
本件土地を所有する原告Xは、Y市長が令和5年度の固定資産評価において、本件土地の課税地目を「雑種地」と認定(本件地目認定)し、これを前提として登録価格(本件登録価格)を決定したことから、Y市長に対し、本件地目認定を不服として審査請求(本件審査請求1)をしたが、これを却下する裁決(本件裁決1)がされ、再度同様の審査請求(本件審査請求2)をしたが、これを却下する裁決(本件裁決2)がされたことから、原告Xは、Y市固定資産評価審査委員会に対し、本件登録価格について審査の申出(本件審査申出)をしたところ、同申出から30日以内に審査の決定がされず、地方税法の規定に基づき、同申出を却下する旨の決定(本件審査決定)があったものとみなされた。
そこで、原告Xが、Y市に対し、本件各裁決及び本件審査決定が違法であるとして、その取消しを求めるとともに、本件登録価格の決定及びこれに基づく本件土地に係る令和5年度固定資産税の賦課決定(本件賦課決定)が違法であるとして、国家賠償法1条1項に基づき、50万円の損害賠償を求めたのが本件である。

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R7.11号(東京地裁R5年8月31日)特例容積率限度指定の減価要因を考慮した修正価格決定の算出方法が固定資産評価基準に従ったものといえるか

東京地裁令和5年8月31日判決(固定資産評価審査決定取消等請求事件)

テーマ:特例容積率限度指定の減価要因を考慮した修正価格決定の算出方法が固定資産評価基準に従ったものといえるか

1.事案の概要
(1)原告の所有する土地(本件土地)とその周辺は、商業地域であり、建築基準法52条の容積率は1300%でしたが、平成14年に、本件土地を含む周辺地区が、特例容積率適用地区に指定されました。
特例容積率適用地区とは、建築物の容積率の限度からみて未利用になっている建築物の容積の活用を促進して土地の高度利用を図るために定められている地区のことであり、指定された地区内であれば容積率の移転が可能となります。
平成20年に、原告の申請により、本件土地の特例容積率の限度は1140.2%に指定されました(その隣接地の特例容積率の限度は1507.6%に指定されています)。
(2)課税庁は、平成24年3月30日、上記特例容積率限度指定を減価要因とせずに、本件土地の平成24年度の固定資産価格決定をしました。

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R7.9号(富山地裁R4年1月12日)存続期間を「永代」とする地上権が設定された土地が「百年より永い存続期間の定めのある地上権の目的である土地」(地方税法343条1項)に該当するか

富山地裁令和4年1月12日判決(固定資産税賦課処分等取消請求事件)

テーマ:存続期間を「永代」とする地上権が設定された土地が「百年より永い存続期間の定めのある地上権の目的である土地」(地方税法343条1項)に該当するか

1.事案の概要
(1)本事案は、Y市内に土地(以下「本件土地」という)を所有する原告が、平成30年度固定資産税の賦課処分を受けたことに対し、本件土地には存続期間を「永代」とする地上権が設定されており、「百年より永い存続期間の定めのある地上権の目的である土地」(地方税法343条1項)に該当するから、本件土地の固定資産税の納税義務者は、所有者の原告でなく、地上権者である等と主張して、Y市に対し固定資産税の賦課処分等の取消しを求めた、というものです。
(2)平成30年1月1日の賦課期日時点において、本件土地の登記簿には、所有者が原告であるとともに、「明治33年3月1日設定」、目的を「建物所有」、存続期間を「永代」等とする地上権が設定されていました。 続きを読む…

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