固定資産税定期レポート2020.9号
札幌高裁平成30年4月17日判決 (固定資産税評価審査決定取消請求控訴事件)
(最高裁平成30年10月18日上告不受理決定により確定)
テーマ:市街化調整区域内の雑種地の評価
第1 事案の概要
本件は、釧路市長が、Xが所有する本件各土地の平成27年度の登録価格を3億3375万3700円と決定したことに対し、Xが、本件登録価格は賦課期日(平成27年1月1日)における客観的な交換価値を上回ると主張して、委員会に対して審査申出をし、棄却決定(本件決定)がなされたため、Xが、Y市固定資産評価審査委員会に対し、本件各土地の適正な時価であるとする1億2080万円を上回る部分について本件決定の取消しを求めて提訴し、第一審(釧路地裁平成29年9月26日判決)が「本件登録価格が本件各土地について評価基準によって決定される価格を上回るものではなく、また、本件各土地の客観的な交換価値としての適正な時価を上回るものといえない」としてこれを棄却したところ、Xが控訴し、控訴審において「本件各土地の適正な時価は1億3350万1480円であり、これを上回る部分について本件決定の取消しを求める」旨の請求を予備的に追加した。